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2025年4月16日(水)   奥州街道 大河原宿 一目千本桜 
 五街道歩き最後の奥州街道を踏破してから早いもので一年半が過ぎ、そのときには時間の制約などから通りすぎてしまった場所を昨年から再訪している。今回は満開の桜が日本一美しいと言われる、奥州街道大河原宿の一目千本桜を観に出掛ける。
 大正12年と昭和2年に、大河原宿出身の高山開治郎が1,200本の桜の苗木を寄贈して白石川の土手道に植えて造った桜並木が一目千本桜の始まりで、現在では樹齢100年を越える桜が三分の一を占めると言われている。これまで恩田川の桜並木が日本一と信じてきたが、多くの老木が枝ぶり豊かなに造り出す景観には圧倒されるばかりで、これぞ日本一の桜並木といえる。それにしても、蔵王連峰を望む西空をどんよりとした雨雲が覆っているのは残念至極である。 

JR東北本線の大河原駅から白石川に架かる尾形橋と末広橋の間に設けられたおおがわら桜まつり会場入口

末広歩道橋から白石川下流の両岸の土手道に続く桜並木

現在工事中の韮神堰から白石川上流の左岸の桜並木
天気の良い時には 背後に上部を残雪に包まれた蔵王連峰を望むことができ 満開の桜並木を引き立ててくれる 

一目千本桜の絶景ポイントといわれる韮神堰は工事中のため少し下ったところから左岸の桜並木を撮る 

  白石川の右岸の土手道は柴田町のしばた桜まつり会場に続いていき、白石川の分流の両岸は淡いピンク色のソメイヨシノの桜並木に加えて黄色の山吹、濃いピンク色のオヒョウモモが彩りを添える景観に変化する。桜の大木に対して低木ではあるが、その原色に近い色合いは桜に負けない存在感があり、素晴らしいコントラストを成して新鮮な感動を覚える。いつまで見ていても厭きを感じさせない眺めと言える。

桜並木と山吹 オヒョウモモ

しばた千桜橋から支流の上流を望む

展望デッキからの景観 薄らと山影が見えるが 晴れていれば蔵王連峰が一目千本桜を引き立ててくれたであろう

しばた千桜橋からの景観

白石川の支流左岸からの景観
 

右を流れるのは白石川

手展望デッキに植えられた山本周五郎作のNKH大河ドラマ「樅ノ木は残った」 に登場する樅ノ木


  大河原宿の一目千本桜見物のついでに、奥州街道歩きでは時間がなく見逃してしまった白石宿の白石城に立ち寄る。市役所の裏から坂道を上って行くと、野面積み(のづらづみ)の石垣の上に建つ天守閣は、満開を過ぎて花吹雪が舞う桜木の間に漆喰の白壁が美しい三層の姿を現す。白石城は伊達政宗の重臣・片倉小十郎が治める仙台藩の城で、一国一城の定めであった江戸時代においては異例の城と言える。
 白石城に仕える中級武士であった小関家の屋敷が300余年の風雪に耐えて現存している。平成3年(1991年)に全面改修され、美しい茅葺の建物は客間のなかま、私用の座敷、居間の3室からなり、農家の田の字の間取りと大して違わない質素な佇まいといえる。武士を象徴するようになかまの床の間に飾られた甲冑がひときは目を引く。

白石城と桜
 

旧小関家 武家屋敷

武家屋敷のなかま いわゆる客間のことで甲冑が床の間に飾られている

武家屋敷の居間には囲炉裏が掘られている
 
 白石城から白石駅に戻る沢端川の橋の欄干に大きなこけしが飾られていている。その河岸にも満開は過ぎた桜が彩りを添えている。
 白石宿の有力商家の壽丸屋敷(すまるやしき)の庭にも葉桜となってしまったが、枝ぶりの大きな桜木が植えられている。 
  

白石の沢端川の大きなこけしと桜

白石宿の壽丸屋敷の桜



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